新潮文庫の新刊、西條奈加先生の『千両かざり』のカバーを描きました。
錺職の老舗、椋屋に生まれ、女の身ながら密かに細工物の修行を続けているお凛。
そこに、今まで見たこともない技術を持った職人、時蔵が現れます。
天保の改革で、奢侈が厳しく取り締まられる中、
お凛たちは自分たちの技と誇りをかけてある、ある大仕事に挑みます。
この作品は2009年に出版された『恋細工』から改題されたのですが、
主人公、お凛と仲間たちの、細工にかける情熱がより感じられて、
力強いタイトルになっていいなあ…。と思いました。
物語の背景が、昨今の、どうしても閉塞感を感じてしまいがちなご時世にもかぶるところがあり、
それに負けずにがんばる主人公の姿には、とても勇気づけられるものがありました。